ビイザの住む町
町の名前はナナカケ。
少年の名前はビイサ。
ビイサの住むナナカケの町には昔から死んだ人を弔うのに、首に金貨をかける習わしがありました。
ビイサのお父さんはお酒飲みで、いつもお酒を飲んでは怒って暴れました。
ビイサのお父さんはお酒飲みで、お酒を飲まないときは優しい父さんでした。
ビイサのお母さんは心の病気で、お父さんがいない日にはお皿を割りました。
ビイサのお母さんは心の病気で、お父さんがいる日は優しいお母さんでした。
ビイサはお父さんとお母さんが大好きでした。
お父さんが優しい日と、お母さんが元気な日には町外れの教会の丘まで遠足に行くのがビイサは大好きでした。
ビイサのお母さんは病気になって、いつも苦しそうに眠っていました。
ビイサのお父さんはあまり家に帰らなくなって、もっとお酒を飲むようになりました。
ビイサの家はお金持ちではなかったので、ビイサはお母さんの薬とお父さんのお酒を買うのに働くようになりました。
ビイサがお隣りのお婆さんのお買い物をしても、
郵便局のお兄さんの郵便配達のお手伝いをしても、
魚屋さんでごみくずを片づけても、
薪売りの薪を割っても、
鉄屑を拾って売っても、
ビイサがいくら働いても、
そのお駄賃では薬とお酒を十分買うのには足りませんでした。
お父さんはますますお酒を飲んで、家の台所にはお酒の瓶がたくさん並びました。
お母さんの病気はますます悪くなって、話すこともままならなくなりました。
ビイサは優しいお父さんと、元気なお母さんとでまたあの教会の丘まで遠足に行きたいと思いました。
ある日ビイサが本屋さんで本を並べていると、パン屋さんのお爺さんのお葬式を見かけました。
おじいさんの首にはきらきらと輝く金貨がかかっていました。
おじいさんの首にはきらきらと輝く金貨がかかっていました。
その晩、ビイサはベットの中で思いつきました。
あのお爺さんの首にきらきらと輝く金貨を盗もうと思いました。
あのお金があればお母さんの薬が買えます。
その晩、ビイサはベットの中で思いつきました。
あのお爺さんの首にきらきらと輝く金貨を盗もうと思いました。
あのお金があればお父さんのお酒が買えます。
その晩、ビイサはベットの中で思いつきました。
あのお爺さんの首にきらきらと輝く金貨を盗もうと思いました。
あのお金があればまたみんなで教会の丘まで行けます。
ビイサは布団から抜け出して、スコップをもって教会の裏の墓場へ向かいました。
ビイサは誰もいないことを確認すると、パン屋さんのお墓を見つけました。
とても静かな夜の墓場で、ビイサの穴を掘る音だけが響きます。
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
夜が明けるころ、やっとビイサはお墓を掘り返しました。
ビイサはおそるおそる棺桶を開けると、眠っているようなパン屋さんのお爺さん首からきらきらと輝く金貨をとりました。
ビイサは家まで一直線に走って帰りました。
ビイサはベットの中で金貨を取りだすと、金貨の縁のギザギザの数を数えながらその日は眠りました。
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
あくる日ビイサは金貨をもって薬屋さんに行きました。
薬屋さんにお母さんの病気を治す薬をくださいというと、ビイサの手のひらの大きさほどの瓶をくれました。
ビイサは代金に薬屋さんに金貨を渡しました。
薬屋さんは金貨を眺めた後、笑いながら丁度いただきますと言いました。
ビイサは薬をもってお母さんのところに帰りました。
お父さんのお酒は買えなかったけれども、お母さんの薬は買えました。
お母さんに薬を飲ますと、苦しそうにしていたお母さんはすうすうと静かに眠りました。
ビイサは神様にお母さんの病気が早く治りますようにと教会に向かってお祈りをすると、台所にあったお酒の瓶の山を片づけました。
ビイサが台所を片づけ終わるころ、お父さんが帰ってきました。
お父さんは台所が奇麗になっているのを見てビイサを褒めてくれました。
お酒を飲んでいない優しいお父さんでした。
町は緑色にきらきら輝いて、みんな幸せそうでした。
お母さんの頬は赤く火照って、みんな幸せそうでした。
お父さんの手は暖かくって、みんな幸せそうでした。
ビイザもみんなも幸せそうでした。
幸せそうでした。
幸せそうでした。
幸せそうでした。
ビイザが次の日、町に出ると、
郵便局のお兄さんと、
魚屋さんと、
薪売りと、
鉄屑屋さんと、
沢山の町の人が
沢山の町の人たちが、
あのおおざけのみのむすこはやっぱりおおざけのみのむすこだろくなことをしないぼかりかわいそうだとおもってまいにちおかねをあげていたらこうだぼかりこいつはいつもそうだったしごともしないでかねばかりせびるぼかりおまえのせいでしごとがなくなったんだぼかりてつくずやだとおまえはばかにしてばかにしてばかにしてぼかりばいたのおんなからうまれたこどもはろくでもないむすこだちちおやがどいつかわからないこどもなんてぼかりうちのむすめになにをしたんだぼかりあのひとのさいごをみないでよくそんなことがいえたものだぼかりまちにこんなこどもがいることはうぉっほんまことにいかんなことであるなぼかりぱんにいしがはいっているなんておまえのせいだぼかりうちのむすこはどこにいったんだぼかりなにをしているどれどれぼかりきひひひひひひひひひひぼかりゆうべぬすんだきんかをきょうつかうなんてこうなったのはおまえがわるいのさぼかりまいにちまいにちらくをしてくらそうとしているとこういうことになるんだじごうじとくだねぼかりふらんだーすのいぬさぼかりゆうびんをぬすんでいたのもこいつですこいつですぼかりこんなきたないふくをきてこんなきたないこどもはわるいこどもにきまっているようそつきめぼかりおいきたないてでさわるなよふくがよごれるじゃないかぼかりおまえのとうさんもかあさんもこのまちいちばんのびんぼうにんだぼかりがっこうにもいってないなんてそれだけでこのこがどんなことかわかりますわぼかりおまえはいったいなにさまのうもりだぼかりこのうそつきのこどもめぼかりきたないこどもにはなにをしてもゆるされるのだぼかりははははは
ぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりぼかりりぼかりぼかりぼかりぼかりりぼかりぼかりぼかりぼかりりぼ
ビイザの目には天使たちもそりを引いた犬も
何も見えませんでした。
ビイザの目には教会の丘もお父さんとお母さんも
何も見えませんでした。
ビイザは教会まで続く赤い煉瓦の道と
ビイザは指先まで続く赤い血の流れと
折れ曲がった指と腕
歪んで見える町の人の顔
他には
他には
他には
暗い
暗い
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
しゃっぷ、さっく、すうすう
その後、
町の人たちは訳を知って、悲しみました。
町の人たちは教会の丘の上にビイザの銅像を立てました。