真昼のビール、真夜中の GHB
ビール
昼過ぎごろ起きてビールとベビースターを食べながら、公園でブラブラする。何もやることはない怠惰な一日が過ぎて行くのをゆっくりと味わう。まあゆっくりと味わうも何も他にすることは何も無い。晴れた空を眺めながらベビースターをボロボロ落して俺は思った。退屈だが割といいのかもしれない。仕事のこととこれからのことを考えようとしたが、無性に死にたくなってくるので止めた。死には近づくべからず。ベビースターを食い終わって、ふと思う。今日、キノコでも食うか。俺はベビースターの袋を丸めるとビニール袋に入れて立ち上がった。
紅茶の葉を用意してキノコを刻む、湯を沸かしつつその両方を投げ入れて30分ぐらい煮込む。手慣れた作業。キノコ様は変な匂いをお出しになっているが、何も考えないようにする。この匂いは下呂吐く行為とと何か直結しているからだ。
ぐつぐつ煮えて真っ黒になったお茶を見ながら、お茶が出過ぎて恐ろしく苦くなるなと思いちょっとばかり後悔すが、まあいいさ、キノコ臭が消え去ってくれるならそれに越したことはない。菜箸で浮かび上がるキノコを引っ掻き回しながら、ぼんやりと考える。
30分ほど煮込んだ後、冷ますまでそのままにしておく。適当に冷えたところを見積もり、氷を入れたグラスの中にキノコと葉っぱを濾して入れる。酷い色だ。泥水のようなそのお茶を見ながら、これを飲むのか・・・とまたちょっと後悔する。これもまあいいさ。つまらん日常を打破してくれるのだから。
氷で冷えたそれを一気に流し込む。キノコと鍋などの後始末をして俺は部屋に戻った。
横になりながら何時ものように新居秋乃のCDをかける。天使のような声が部屋にこもる。俺は目を瞑ってゆっくりとだるくなってきた体の力を抜く。煮出して飲むと効果は弱いが、すぐに幻覚成分は効いてくるようだ。体が微妙に回っているような感覚を味わいながら、音楽をなぞる。効きは浅いが効果はある。音のリフレインが快楽につながる。
いま、きちんと、俺は生きていることを確認して、これからのことを素にやっと戻った頭で考える。
とてもナチュラルで気が狂っていない自分に戻る。世界の動きと俺の心情がやっと正直なところでつながる。何度か安堵の声をこぼして俺はすぐに飛んでしまう黒い花びらの回転と天使の羽ばたきを見つめていた。
親が帰ってきて2、3度五月蝿く何か言ってきたが、適当にあしらっておく。気を付けないと感情の高ぶりが俺を苛々させる。だが俺の様子がおかしいことには気づいただろうが、特に異変は感じなかったのだろう大体親の対応は上手くいく。
暫く音楽の中に身を包みつづけていると電話。
今日、馬車道に行こうという電話だった。大分効果は切れていたのでその電話で頭がはっきり現実に戻ってくる。そしてサンダルを突っかけて薄く効果の残ったままフラフラと歩いていき友人宅に向かう。更にだんだん頭がはっきりしてきて、また何時もの淀みに思考が戻っていく。世界が多少縮んで見えたが大した効果が残っているわけじゃなかった。俺は煙草を吸いながら、やれやれと一人うめいた。
どうせだったら一生あの中でくらせたら良いものなのに。そして俺は友人らと一緒に出かけていった。
GHB1
会社の気の合う友人達にあって、俺はそのクスリを受け取った。黄色いプラスティックの瓶にそれは入っていた。
白いちょっと大きなカプセル。一錠のカプセルが溶けかかってしまった。とりあえずそれを飲み込んで、またすぐに五錠のクスリを飲み込んだ。どうなるか心配だったが、まあ帰りは車だ平気だろう。
車に荷物を運びいれているときに効果が出始めた。体の節々が重い。間接がプラプラとしている。歩くのが億劫だし頭を振ると体がよたよたした。これがどうやらGHBの効果らしい。眠くはなかったが、だらりとした感じだ。車に乗り込んでからも俺はシートの後ろでぐったりとしていた。酩酊感がある。まるで酒を飲んだときのようだったが、頭はしっかりとしていた。体だけがぐったりとしている。とてもリラックスでき効果は上々だ。
目玉を動かすのも面倒で、車に揺れるたびに視界がガクガク動く。これは酔いそうだが楽しい。重力のシフトが全身を心地よくさせる。俺は天井のサンルーフを見ながら、これもまたいいかなぁ、などと星を数えた。
そのうち俺は眠りに落ちていた。目が覚めるとほとんど効果は抜けていた。薬抜け後も調子がいい。悪くないが、精神にはなにも影響はないのでちょっと寂しいところはある。だが毎日やる分にはこれぐらいのがいいだろう。
GHB2
液体のGHBを深夜、煙草を買いに行ったついでにオレンジジュースに入れて飲み干した。味は苦みのある酸味の強い味だった。オレンジジュースに入れて飲むのにはちょうど良い。そのまま家に帰り、効果が現れるまでゲームをして過ごした。少しばかり腕がだるくなったぐらいのほかは効果は現れない。どうやら量が少なかったようだ。残念。
GHB3
残っていた液体を全ぶつかってしまおうと、例によって煙草を買いに行ったついでにオレンジジュースの中にGHBを入れて飲み干した。この文を書きながら効果を待っているのだが、恐らく量が足りずに大した効果無く終わってしまうのではないだろうか。錠剤の方を飲んで寝るかどうかちょっと考えている。うーん、止めておこうかどうしようか。
GHB4
すべてが面倒くさい。明日働くために寝るのかと思うと眠れない。周桑感、他色々の気持。時間を潰すためだけに生きているような気がしてならない。他に何をしろって言うんだ。この六錠を飲んで風呂に入って寝よう。そうだそうしよう。